雑木の庭のDIYを進めるに当たり、まず最初に直面するのは「雑木をどこで手に入れるか?」という問題ではないでしょうか? なにせ長尺物のため、例えどこかで購入したとしても自力で運搬できる人は少ないのではないかと思います。この最大の課題についてお応えします。

1.作庭時は、雑木を配送までしてくれる庭木屋さんを探す

 よくあるガーデニングショップで売っているような2m程度の木をいくら植えても、感じのいい雑木の庭にはなりません。「育つまで待てばいい」という心理が働くかもしれませんが、そんなに都合よくはいかず後悔することになってしまいますので避けて欲しいと思います。

 なぜかと言うと、人気のある華奢なヒョロっとした樹形は周囲を木で囲まれており日光が遮られる環境だからこそ、その状態が維持できています。低い木がまばらに植えてある状態では、幹や株元に日がガンガンに当たってしまいます。これは木にとって大きなダメージとなってしまい、自分を守るために低い位置から胴ぶきの枝を生やしてしまいヒョロっとした柔らかな樹形がどんどん崩れてしまうか、日当たりに耐えられず枝枯れが進み、最期は完全に枯れてしまいます。

 プロの作る雑木の庭は、自家用車では運べないような5m越えの木から、3~4m程度、1~2m程度のものと、高さにバリエーションを付けています。この樹種の特性も考慮した配置のバランスが、その後の木の成長できる環境と直結します。

 また、木を購入する前に、木の種類・大きさ・本数などのおおよその植栽計画しなければなりません。特に重要なことは、ガンガン日が当たる環境にならないようにすること。
 例えば、5m程度のコナラなどの比較的日当たりに強い高木の横の半日近く影が出来る場所にモミジやアオダモなどの中木、更にその陰に日差しに弱いツリバナやナツハゼなどの低木を植えるといった感じ。このあたりは次の記事で詳しく説明していますので参考にしてください。


 次に植木屋さんを探します。庭木屋さんといっても千差万別。雑木、特に山採りを扱っている業者というのは意外に少ないものです。DIYでの雑木の庭のづくりの始めは、山採りの雑木を扱っていて配達までしてくれる業者を見つけることが必須と言えます。
 しかし、庭木屋さんは一般的に造園屋を顧客としており一般客との接点が少ないこともあり、あまりホームページを持っていません。そのため、ネットで検索してもなかなか見つけることが出来ないのです。ではどうするか? 私のおススメの方法を紹介したいと思います。

(1)足で探す

 皆さんが住んでいる地域に植木屋さんが集まっているようなエリアは無いでしょうか? 私が住んでいる愛知県近郊では、愛知県稲沢市、静岡県浜松市、三重県鈴鹿市などがそれに当たります。そういった場所に行き足で探す訳です。その地域をGoogle Mapで確認すると植木屋さんが登録されていることが多いので、順番に回ってみます。時間はかかりますし、見付からなかった時はヘコみますが、その地域の何か他の楽しみと掛け持ちで植木屋さん巡りに出かけてみてはいかがでしょうか?
 ちなみに、私も足で探し良い植木屋さんを見つけ山採りの木を購入しました。家からは100㎞ほど、高速を使っても2時間近く掛かりますが、快く運搬してくれましたよ。

(2)ネット販売、ヤフオク販売主にコンタクトを取る

 ヤフオクなどで、「山採り」や、「山取」で検索すると、いくつかの業者を見つけることが出来ます。ネット販売では5mも大きな木は運んではくれないのですが、あなたのお住まいの近くなら もしかしたらトラックで運んでくれるかもしれません。

(3)インスタで植木屋さんを探し、ダイレクトメッセージで問い合わせる

 ホームページを持っていなくても、手軽に始められるインスタグラムに投稿している植木屋さんは存在します。そういった植木屋さんの地域を特定し、もしもあなたのお住まいの近くなら運んでもらえるかもしれません。インスタグラムのダイレクトメッセージで問い合わせてみましょう。
 ちなみに、私のインスタグラムでフォローさせて頂いている、もしくはフォロー頂いている方の中にも植木屋さんは存在し、そのインスタの投稿で、「山採りの木を配達して植栽手伝いました!」といったものもありました。そういった業者さんなら、きっとあなたの助けになると思います。

2.買い足すのであれば、ネットでもOK

 日差しから守ってくれる大きな木が既に庭に植えられている環境であれば、3m以下の高さの木をインターネットで購入し植栽し、良い環境で育てることは可能です。
気に入った樹種、樹形をネット上で選へ、配達までしてくれるので手軽に購入できます。

 ただし一部の業者は、山から切り出す労力を下げるために根を過剰に切ってしまった木を扱っていたりします。このような木は最悪は夏を迎える前に枯れてしまいます。根鉢には土を詰め込んで根巻きしているのでネットで見分けるのはほぼ不可能です。
 山採りは落葉した初冬に山から切り出し、2月ぐらいに売り出すため根を切られた後初めての春を迎えるのは庭になりそこで初めて結果が分かることになる訳です。ネットではそんなリスクがあることを知っておきましょう。

 ちなみに山採りの木は山から切り出してきたときは少なからずこの傾向があります。つまり枯れてしまうリスクを伴いますが、植木屋さんで1シーズン寝かされていた株であれば安心して購入することができますよ。

3.山採りの木を購入するベストシーズン

 山採りの木は、落葉した頃から山から掘り出し、根巻きをして運び出します。その後植木屋さんに到着するのは早くて年末からピークは2月ぐらい。この季節が一番充実している上、落葉樹の植栽シーズンでもあるのでこの期間を狙って購入しましょう。
 落葉樹の葉っぱが展開されてからの季節に購入し植え付けるのは枯らしてしまうリスクが高まりますので避けた方が賢明です。根を切られた木が良い状態を取り戻すには早く根を再生させなければなりません。根は葉っぱが展開するより早い2月ぐらいから動き始めます。そのため、この季節に植え付けて葉っぱが展開されて蒸散が開始される前に根を生やす環境を整えることが大切なのです。

4.庭石を運んでくれる業者もいます

 参考に、庭石について。庭木と同じように造園用の石屋さんが存在します。手で持てるぐらいの石を車に積んで持ってくるか、運んでもらうか。DIYでも手で持てる程度の石であれば庭に入れることは可能であり、庭の雰囲気も引き立ちます。庭石業者を探してみてはいかがでしょうか?
 ただし、石屋さんは基本的に庭に石を入れ込むまでになりますので、そのあと場所を移動させたり好みの向きに変えたりということは 造園屋さんでは無いのでやってくれません。重すぎる石を動かすのは安全上も問題があるため、重機を使わず人力で運べる程度の石にしておいた方が良いかと思います。

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