在宅勤務における「ガーデニング」の驚きの効果

 世界を大混乱に陥れた新型コロナ。サラリーマンである私にとっては「働き方」が大きく変わりました。これまで会議室に集まったり、出張先に出向いて行っていた会議はすべてパソコンを用いたリモートになり、職場は各自の席を固定しない”ロケーションフリー”や”在宅勤務”で、コロナ前には想像すらしなかった働き方に変わっています。

 私は週2回ほど在宅勤務を行うようになり、庭が見える和室をオフィス替わりにしています。
 このような緑の見える環境で働くことは、様々なメリットがあることを知りました。今回はその意外なメリットについて紹介したいと思います。

「人は先天的に自然との結びつきを求める」

 最近、「バイオフィリア」という概念があるのを知りました。これは、1980年代に米人の社会生物学者が提唱した仮設で、「人は先天的に自然との結びつきを求める」というものです。

 近年、この考え方をオフィスに取り入れる考え方が広がり始めているそうです。職場に緑や自然光など”自然環境”を取り入れることで様々な効果が期待できます。そのようなオフィス環境を「バイオフィリック・デザイン」と呼びます。

「バイオフィリックデザイン」の効果

・幸福度 15%UP
・生産性  6%UP
・創造性 15%UP
という研究結果があるそうです。これは職場で働く従業員に対する効果なのですが、オフィスに自然環境を取り込むことでこのような効果が生まれるのであれば、経営者は導入しない理由は無いでしょう。実際に、GoogleやAmazon、国内でも様々な大企業などが取り入れています。
 これは従業員にとっても働きやすい環境ですよね。スターバックスの店舗でも取り入れているそうですが、お客様にも居心地の良さを感じてもらうことがリピート効果につながるということでしょう。

効果① 幸福度

 仕事をする上で誰もが受けるストレスを緩和したり「やりがい」を感じさせ、「幸福度」を高める効果があるそうです。職場の人間関係も良い方向に変わりそうですね。

効果② 生産性

 業務に集中できるようになる効果で仕事の質や生産性が高まります。業務のアウトプットの時間が短縮されれば、経営者も従業員も嬉しいことですよね。

効果③ 創造性

 柔軟な思考を引き出すことで、「ひらめき」や新しい「アイデア」が生まれやすいという効果があります。特にクリエイティブな業務だとこの効果は非常に大きなものになるでしょう。

オフィスの緑のクオリティは?

 私の職場にも、「バイオフィリックデザイン」を意識しているのかは分かりませんが、”緑”が置かれた自由に仕事ができるフリースペースがあります。
 観葉植物の作りものの鉢が並ぶその”緑”は目の前で見ると樹脂感丸出しの作りもので、少なくてもガーデニングが趣味の私は正直、嫌悪感に近い違和感を感じてしまいます…


 本物の緑を管理するのはコストが掛かります。定期的な水遣りに費やす時間、枯れてしまった時の処分や新規購入… 本物の緑で構成されたオフィスはどの程度あるのか分かりませんが、あまり多くは無いのではないかと思います。
 維持管理を考えると”作りものの緑”は合理的なのでしょうが、効果が発揮できない場合があるのかもしれません。

窓からの庭の見える在宅勤務

 きっとこの記事を読んでくれている人は、ガーデニングを楽しんでいたりガーデニングに興味がある人ではないかと思います。そんな人は自分の庭や育てている植物の自然環境から「バイオフィリア」の効果を十分に感じられるのではないでしょうか? 
 パソコンからふと目線を窓の外に向ければ木々の緑や木漏れ日などの自然光が目に入り、天気のいい日は窓を開ければ自然の空気の流れを感じることができます。サラサラと風にそよぐ枝葉の音や、庭にやって来る野鳥の鳴き声は”自然環境”そのもの。愛情持って育てた庭こそがバイオフィリアの効果を100%発揮できる環境ではないかと思います。

 私は、在宅勤務で我が家の雑木の庭の自然環境を感じながら仕事をしています。「生産性」や「創造力」が上がっているのかどうかは分かりませんが、「幸福度」の向上については分かる気がします。
 

庭を愉しみ尽くそう!

 私は本格的に庭づくりを始めてから、その効果は”庭いじりをしている時”だけではないことに気付かされました。
・窓から庭を眺めながら”家カフェ”したり、
・カーテン開けてリビングからライトアップされた夜の庭を眺めたり、
・一輪挿しや剪定した枝を生けて部屋に花や緑を取り入れたり、
といったことは過去の記事でもお伝えしてきました。(こちらの記事をご覧ください)

 仕事している平日昼間の時間も「バイオフィリック」で庭を活用できるような時代になることはコロナ前には考えられかったことであり、「庭づくり」の新たなメリットとなりました。決して「庭」でなくても「お気に入りの鉢植え」でも同じメリットがあるのではないかと思います。

是非とも皆様に、緑を愉しみ尽くして欲しいと思います。