【雑草対策】庭の草取りからの解放!

 ガーデニングを楽しんでいる人の多くが直面する雑草問題。炎天下の草取りは本当に辛く苦しいものですよね。熱中症にも注意が必要だし、涼しくなった夕方だと蚊の攻撃を受けてしまいます。

 私の以前の庭は、芝生を一面に敷き詰めた庭でした。生育の早い暑い季節ほど雑草や芝刈りの頻度を上げざるを得なく、週末が苦行のように感じたことが印象的でした。
 それが今の雑木の庭にリガーデンしてからは、大袈裟ではなく全くと言っていいほど雑草問題から解放されました。花殻を摘むなどのメンテナンスをしながらたまに雑草を見つけて抜く程度で、年間10本とか20本ぐらいかと思います。

 今回はこの鬱陶しい雑草について、その特性や対策をお伝えしたいと思います。

1.まず雑草の特性を知ろう!

 雑草とは、「意図せず自然に生えてくる不要な植物」の総称です。発芽から枯れるまでが1年サイクルの「一年草」と、次の年も生き続ける「多年草」に分けられます。

【代表的な一年草の雑草と特徴】

スズメノカタビラ、ヒメジョオン、オヒシバ、メヒシバ、エノコログサ など

<特徴>
 一年草の雑草の特徴として、多くが”好光性種子”であることが挙げられます。これは、発芽の際に光を必要とする種のことを言います。また成長スピードが早いのも特徴の一つ。

 ”春の発芽から葉っぱを増やしつつ養分を蓄え、花を咲かせ種を飛ばす”というサイクルを短期間で行うため、その養分を素早く作るために、多くの日光が必要です。つまり、発芽から成長するまで日当たり環境が必要なのです。

 皆さんの多くが悩んでいるものは「一年草」ではないかと思います。

【代表的な多年草の雑草と特徴】

スギナ、ドクダミ、セイタカアワダチソウ、カタバミ、タンポポ など

<特徴>
 多年草の雑草は冬でも根が生きており、根で蓄えた養分で毎年地上部が現れます。通年地上部がなくならない植物もあります。
 また、スギナやドクダミなどは地下茎で増えていき、放っておくとどんどんと広がってしまいます。

2.雑草対策

 この記事を見ている人はガーデニングを楽しんでいる人ではないかと思います。

 除草剤、防草シート、熱湯を掛ける、といった他の植物に影響を与えてしまう対策ではなく、庭という大切な植物が育っている場所を前提にお薦めの方法を紹介したいと思います。

(1)一年草の雑草

【対策1】地表に直射日光が当たらないように植物を植える

 前述の通り、日差しが無いと発芽できない特性を考えて、地表に日が当たらないように好きな植物で地表を覆ってしまいましょう。芝生のようなグランドカバーでも多少の効果はありますが、ある程度背が高い植物の方が効果は期待できます。

 また私の庭の実体験として、苔で地表を覆うと雑草が入りにくくなることを実感しています。特に苔が成長して厚みが出るとその効果は高まります。推測ですが、発芽した根が地表まで届きにくいためではないか? と思っています。今は木漏れ日環境に最適なハイゴケという種類に覆われていますが、後述の「木漏れ日効果」も影響しているのかもしれません。

【対策2】木漏れ日環境をつくる

 たとえ発芽したとしても大量の太陽エネルギーを必要とする一年草の雑草は、木漏れ日のような日差しが弱い環境では十分に成長することができず、やがて消えていきます。もしくは成長する雑草の数が激減します。
 雑草対策を目的に”木漏れ日環境”を作ることは現実的ではないかと思いますが、「雑木の庭」は庭の求める姿そのものが雑草が生えにくい環境なのです。

 ちなみに過去に作庭を考えていた時の話ですが、雑木の庭はこれだけの植物を植えるので雑草が入りやすいのではないか?と不安になり庭師に質問して返ってきた答えが、「日が当たりにくいので生えません。山の中でも木漏れ日の場所では雑草が生えていないですよ。」とのことでした。そういう目で自然環境を見てみると、確かにその通り。木漏れ日の下では雑草は生えていません。木が伐採されて日が当たるところにだけモリモリの雑草が生えていて納得した、ということがありました。
 皆さんも機会があれば、そういう見方で雑草の自然環境を観察してみてください。

(2)多年草の雑草

 地下茎で広がる雑草の場合、地面の中すべてを取り除くのはなかなか難しい作業となってしまいます。庭木や宿根草が植えてある庭では尚のこと。非常に厄介な存在なのです。また、日差しが弱くても育つ種も存在します。そんな多年草の雑草を根絶やしにする方法を紹介します。

【対策】地上部をカットし続ける

 光合成により地上部に広がる葉っぱで栄養を作り、それを根に蓄えます。地下茎で広がるタイプは、その根に蓄えられた栄養を使い地下茎で横に広がり、地上に芽を出して葉っぱを広げて栄養を作る… というサイクルを繰り返して増えていきます。

 対策としては、地上部をハサミで切ってしまうことで栄養を遮断することを繰り返します。地上部が切られると根に蓄えた養分を使い、地上部に芽を出します。それを切り続けることで根に蓄えた養分を使い切らせ、最期に枯れさせるという作戦です。例えると、雑草の養分という貯金を全て使い切らせて破産に追い込むという訳です。
 可能であれば、地上部から掘り下げて少しでも下側でカットしてください(養分の蓄えられた根に近い部分をカットする)。その方が早く根絶させることができます。

 ただし確実な継続が必要です。もしもカットすることを怠ってしまうと、雑草は葉っぱを広げて養分を蓄えてしまいます。そうなってはこれまでの苦労が水の泡… そうならないように、週1回ペースで十分ですので根絶やしするまで根気良く継続して欲しいと思います。

3.まとめ

・一年草の雑草対策
 日差しを遮断する。地表に日が当たらないように植栽を増やす。木漏れ日環境を作る。
 ※雑木の庭は雑草が生えにくい

・多年草の雑草対策
 地上部を週1回ペースで確実に切り落とすことを繰り返し、雑草が蓄えた養分を破産に追い込む。

いかがでしたか? 雑草に悩んでいるあなたが、草取りという苦行から解放されることを願っています。