庭木の「大きくなりすぎる問題」(コナラ)

 庭木を植えるとき、誰もが大きくなりすぎることに不安を抱えてしまうのではないかと思います。自分の手の届く範囲の樹高を維持したいがために、少々無理な剪定ををしてしまい樹形が乱れてしまうということは「あるある」の話。そんな庭木をよく見かけます。
 大きくしたくなければ大きくなりにくい低木を植えれば良いのですが、低木は直射日光に弱い樹種が多く上手に影を作ってあげないと上手く育ってくれません…

 我が家でも同じような心配を抱えています。それは、大きくなり続ける庭の中央に鎮座する「コナラ」。

 コナラは昔の人々の生活と密接な関係があります。里山で育てられ、ガスが普及するまで「薪」として活躍してきました。切り倒しても切り株から新芽が伸びてまた大きくなります。まさにサスティナブル。
 また、里山のシンボル的な存在で「雑木の王様」と呼ばれ雑木の庭との相性は良いのですが、小さな庭での一番の課題が「大きくなりすぎること」です。

 今回は、小さな庭で育てる「大きくなりすぎるコナラ」を先日剪定しましたのでその方法や高さのコントロールについてお伝えしたいと思います。

1.コナラの成長速度

 作庭時に庭師さんに植えてもらったコナラ。雑木の中でも成長スピードはかなり早い方。植え付けから3年ぐらいまでは成虫は緩やかですが、その後成長スピードが一気に上がり、1年で1mかそれ以上伸びていきます。

 我が家のコナラは、作庭時は4.5mだったものが、9年目の今では7.5m。これでも毎年2回の剪定で3割程度の枝葉を落とすことで光合成で蓄える養分を抑えています。剪定していなければ、もっと大変なことになっていたであろうことが想像できます。

2.脚立での剪定は限界!! 2階の窓からの剪定

 上の図を見て頂ければ、7.5mのコナラを剪定するのは容易なことではないことがお判りいただけるかと思います。プロの庭師さんは、ものすごく高さのある三脚やハシゴを幹に掛けたり、高所作業車を使って剪定したりしますが、素人には現実的な方法ではありません…


 そこで、私は2階の窓から高枝切りばさみを使って剪定しています。
コナラの植え付け場所が家から50㎝ほどしか離れていないので、1.8m~3mの長さ調整式の高枝切りばさみで多くの範囲をカバーできます。
 ちなみに、コナラほどではありませんが、5mぐらいまで育ったイロハモミジなどの他の庭木も2階からだと安全に剪定できます。庭の幅が家屋から3~4mしかない小さな庭だからこその方法かもしれません。

 ただし、高枝切りばさみで切れる枝の太さはせいぜい指ぐらいまで。手でのこぎりが届く範囲であればいいのですが、そうでなければ計画的に太くなる前に切るように心がけています。

 ちなみに、高枝切りばさみのアタッチメントでノコギリが付いていますが、枝が動いてしまい上手く切ることが出来ません…

ビフォーアフター

 落葉樹の剪定は「芽吹きが安定した春」と「落葉が落ち着いた冬」が一般的なのですが、あまりに徒長する枝に据えかねて9月中旬というあまり剪定時期ではない季節に剪定をしました。そのビフォー/アフターをお伝えします。

まずは2階の窓から。

次は道路側から。

枝葉の量が少なくなっていることがお判りいただけるかと思います。しかし高さ自体を低くするような剪定にはなっていません。高さを低くする剪定をこれまでに2回ほど行ったことがあります。その剪定の様子についてはまたの機会に紹介したいと思いますが、今回はその概要のみお伝えしたいと思います。

3.コナラの高さの維持管理

 上記や過去の投稿とダブりますが、成長を緩やかにするのに効果的な方法は、年2回ほどの剪定で枝葉の量を3割ほど減らして光合成でつくられる栄養の総量を少なくすること。しかしいくら緩やかになったとしても大きくなってしまうことに変わりはありません…
 幹の太さを細くすることは不可能ですし、枝葉の量を少なくしても樹高が低くなるわけではありません。

 コナラに限ったことではありませんが、雑木の自然樹形を保ちつつ「高さをコントロールする方法」があります。

 「雑木の庭」の開祖と言われている「飯田十基」氏の弟子だったという石正園の平井孝幸氏の著書にそのあたりが詳しく記載されていますので、雑木の「大きくなりすぎる恐怖症」の人は是非この本をご覧いただければ不安は解消できるかと思います。

 その剪定方法について、素人の私なりに理解したものを分かりやすくまとめたものを以下の記事に記載していますので参考にして頂ければ幸いです。(記事「山採りらしい雑木の柔らかな樹形を維持する方法」)

 要約すると、「将来主幹に替わる枝を育て、主幹を落としてその枝にバトンタッチする」という方法です。
下の挿絵はその抜粋ですが、これだけでもイメージできるのではないでしょうか。

 理想的な管理のイメージを持っていたとしても、実際に出来るかどうかは別問題。我が家のコナラは今のところコントロールできていますが、この先を考えると不安は残ります。どうしても管理できなくなったら庭師さんに剪定をお願いしようと思っていますが、それでも植えて良かったと思える魅力的な木だと感じています。

4.YouTube動画はコチラ

 大きくなりすぎるコナラの剪定について、実際に剪定している様子などをYouTube動画にまとめましたので宜しければご覧ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました!