テッポウムシ(カミキリムシ幼虫)にやられた! 樹木が枯れてしまった被害報告
ガーデニングを楽しんでいる人の悩みの種の一つである「テッポウムシ」について触れたいと思います。「テッポウムシ」とはカミキリムシの幼虫で、株元の幹内部を食い荒らすことでその木を弱らせたり枯らしてしまいます。また、かなりの高確率で被害に遭ってしまうため、楽観視はできません。
実は先日、私の庭でこのテッポウムシの被害に遭ってしまいました。今回はそのときの木の様子や内部の状態などをお伝えしまいと思います。
以前、カミキリムシの成虫による食害についての記事を投稿していますので併せてご覧ください。(記事:カミキリムシ(成虫)の被害と対策)
※この後、テッポウムシの写真が出ていますので、虫嫌いの方は「閲覧注意」でお願いします。
1.被害の概要
株立ちのツノハシバミの1本がテッポウムシの被害で枯れてしまいました。切り倒した幹の内部には2匹のテッポウムシが潜んでおり、その場で捕殺。
木の太さは500円玉ぐらいの直径で樹高は3.5mほどあります。木が1本枯れてしまったのは今の庭をになってから初めてのことです。
2.樹木の異変
2月ぐらいから休眠打破した樹木は活動し始めます。地下の根の活動が始まりその後枝の節に新芽が形成されていきます。
今回被害に遭った木は3月ぐらいまでは他の株と同じように花芽や枝の先端に芽を付けていました。しかしその後、木の活動が止まってしまったために何かおかしいと思い株元を調べると、おが屑のようなものの塊が!(テッポウムシの糞)
ここでテッポウムシの被害に遭っていることに気付きました。
少し意外だったのは、何の前触れもなく突然すべての活動を停止してしまったこと。少しずつ弱っていくと枝枯れなどで異変に気付きやすいのですが・・・
また、これまでも数回テッポウムシの糞(おが屑のようなもの)の存在に気付き、都度殺虫剤で対処することで目に見える被害はありませんでしたが、今回は発見が遅かったのだと反省しています。定期的に株元を観察しなければいけませんね。
3.樹木の内部の様子とテッポウムシ
幹を持って木を強く揺すると、株元からの「メリメリ」と弱々しい音とともに木が傾きました。のこぎりで株元をカットしてみるとご覧の通り、樹皮のすぐ内側と中央部が食い荒らされていました。
そのすぐ上側をカットするとご覧の通り、中央に空間が空いています。
更に上に10㎝ほどの場所をカットすると樹皮の下に食われた跡がありますが、中心部は無事。
この中からテッポウムシが1匹出てきました・・・
切り株側にも、もう1匹・・・シダが邪魔で見にくいですが。
計2匹、小指程度の大きさのテッポウムシでした。ちなみに火を通して食べると美味しいらしいですよ。私は食べませんが・・・。
木はこんな状態で、株から30㎝ぐらいの高さまで樹皮を残してその中心側が食われています。この写真は樹皮を剥いだ後のものですが、食害を受けているときは樹皮で覆われており、この部分を触るとプカプカして空洞が出来ていることが分かります。
木の幹を指で1周押さえて感触を確認することで被害を受けているか確認できそうです。
4.テッポウムシの被害を抑えるために
別の記事「カミキリムシ(成虫)の被害と対策 」にも触れましたが、
①成虫を寄せ付けない(ニームオイルや木酢液)
②成虫を捕殺する(幹に衝撃を与えて虫を落とす)
③木を健康な状態に保つ
ことで一定の効果を発揮します。
しかしそれでも卵を産み付けられてしまうことはありますが、早期発見・早期駆除ができればさほど恐れることはありません。
(1)早期発見・早期退治! テッポウムシは必ず痕跡を残す
おが屑状のテッポウムシの糞、気を付けて観察していれば発見することは難しくありません(見つけられなかった私、説得力ありませんが・・・)。併せて前述の通り株元の幹を一周指で押さえてプカプカ感が無いか確認することも有効かと思います。
もしも発見した場合、細めのドライバーなど先の尖ったもので糞のあたりの樹皮表面を探っていくと穴があり、その奥にテッポウムシがいます。早期発見し駆除すれば、虫が小さい分被害の量が少ないために木へのダメージは小さく済み、枯れてしまうような状況に陥ることはありません。
また、カミキリムシの被害を受ける樹種は限られているので、それらの木を重点に点検すれば、負担は小さく済みます。
その樹種とは、モミジ、クリ、バラ、ヤナギ、エゴノキ、ドウダンツツジ、柑橘類、イチジク、ナシなどの果樹類。今回被害を受けたツノハシバミも被害者(木)リストに登録。
ちなみに、成虫による枝への食害(樹皮を齧られる)を受ける木と一致しているようです。
(2)殺虫剤で退治
テッポウムシ専用の殺虫剤が園芸店で売っていますのでこれを使って退治します。これは、スプレー方式でノズルが付いており、このノズルの先端から薬剤が四方に噴射される仕組みになっています。穴の中にノズルを入れてスプレーするだけ。とても簡単で強力に殺虫できます。
その後、病害虫の侵入を防ぐために穴が小さい場合は「トップジンMペースト」という接着剤のような薬剤を、穴が大きい場合は園芸用のエポキシ樹脂(粘土のようなもの)で穴を塞いでおきます。
(3)それ以外の対策方法
・テッポウムシ予防樹脂フィルム
フィルムとありますが、塗布する液体です。株元に塗布することで表面を樹脂で覆い、樹木からの匂いを遮断してカミキリの産卵を防ぐというもの。使ったことは無いのですが、いろんな口コミを見てみると一定の効果はあるそうです。
ただし、塗布後の木の表面がテカテカになってしまうデメリットがあるようですが、背に腹は代えられませんね。
・木酢液の株元への噴霧(案)
今年試してみようと思っている対策案です。
成虫被害の記事に乗せた木酢液の散布は枝葉に対するもののためにある程度希釈しなければ使えませんが、卵を産み付けられやすい株元に比較的高い濃度の木酢液を噴霧するというもの。樹皮から発せられるカミキリにとって魅力的な匂いを虫たちが嫌う木酢液の臭いでかき消してやろう!というものです。
効果が見られましたら別の機会に紹介したいと思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。