雑木の庭 春の剪定ビフォーアフター
新緑の芽吹きのシーズンから始まる枝の伸長が一段落したタイミングは、春の剪定時期になります。基本的に剪定は春と冬の年2回。太い枝などをカットして樹形を整えるのは冬。細めの枝を間引くのが春というのが基本的な考え方です。
また、雑木の庭は「透かし剪定」が基本であり、剪定したことに気付かない(違和感が無い。しかし枝葉が確実に減っている)というのが理想とのことです。
春の剪定の目的は以下の通り
【目的①】木々の成長の抑制・華奢な樹形を維持(詳細はこちらの記事「山採りらしい雑木の柔らかな樹形を維持する方法」参照)
【目的②】病害虫の抑制
【目的③】適度な木漏れ日状態を作る(鬱蒼とした状態としない)
そのために剪定時に行うポイントは、
・枝葉の量を2~3割落とす(光合成の量を減らし、幹の太りを抑制する)
・隣同士重なり合う枝葉を落とす
・木々の上下層で重なる枝葉を間引く
といったことになります。
我が家の庭は作庭から8年が経過しようとしており、この3年ぐらいは基本的に現状維持を心がけて剪定しています。
一般的に3年目ぐらいまでは、枝葉の成長が緩やかなことと樹木をもっと大きくしたいという思いから剪定することはあまり無いかと思いますが、理想的な大きさまで木が成長してからは積極的な剪定が求められます。
私は作庭前は全くの素人でしたが本を参考に剪定を始め、何とか庭師の力を借りなくても維持できているのではないかと思っています。この記事が、自分で剪定が出来るかどうか悩まれている人の参考になれば嬉しく思います。
それでは、今回の剪定ビフォー/アフター、および昨年の剪定後の写真などをお伝えします。
1.庭全体
下の写真は、庭の中央付近の上空全体の写真です。ビフォーよりアフターの方が枝葉の重なりが少なくスッキリとした雰囲気を感じられると思います。
ちなみにこの下の写真は昨年の春の剪定後の写真。右側から中央に向けて伸びているアカシデは上空を覆うまで成長しましたが、それ以外は今年の剪定後とあまり変わらないのが見てわかると思います。
2.木々の干渉箇所(左:コナラ 中央下:モミジ 右:アカシデ)
上の写真中央の拡大写真です。剪定前は左のコナラと中央下のモミジの枝が絡んでいるのが分かると思います。
干渉してしまった枝はどちらかを切り落とすしか方法はありませんが、どちらを切るか判断に悩むときがあります。樹形を崩さないか、忌み枝に当たるか、将来の枝の成長する方向などを総合的に考えて判断しましょう。
3.玄関の植栽(オオモミジ)
玄関にはオオモミジ、コハウチワカエデ、アオダモなどが植えてあります。(詳しくは「玄関アプローチの植栽 」参照)
午前中は日が当たり午後からは家屋の陰になる場所ですが、ただでさえ成長の早いモミジ、作庭時は”うまい棒”ほどの幹も気付けば二の腕ほどの太さに。この2,3年は成長を抑制するために枝葉を3割程度落とすことに心がけています。
うーん、ちょっと分かりにくいですね・・・
下の拡大写真では変化を感じていただけるかと思います。
10坪の庭と玄関周りの剪定で、延べ4時間ほど掛かりました。自分の庭だからこそ時間に追われることなく納得いくまで剪定できることが剪定DIYのメリットだと思います。盆栽の剪定を自分で行うように、雑木の庭の剪定もコツさえ掴めばこんな感じでやれますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?
しかし、もちろん安全第一! 高所作業となるためリスクも十分理解した上で判断して欲しいと思います。
過去の「剪定に関する記事」も参考にして頂ければ幸いです。
【今回の内容で参考になる記事】
・雑木の庭 春の剪定DIY その1
・雑木の庭 春の剪定DIY その2
・雑木の庭 冬の剪定DIY
・山採りらしい雑木の柔らかな樹形を維持する方法
・雑木の剪定DIY
また、本内容の概要をYoutubeにもアップしましたので、ぜひご覧ください。