ヤマアジサイ (住宅街での育成環境)

開花などの旬の季節に合わせて「雑木の庭にお薦めの植物」を紹介します

 ヤマアジサイは、一般的なアジサイより華奢で小型で育てにくいですが、収集マニアも多く独特の魅力があります。ほとんどが日本原産の自生種で、自然交雑種や一部交配種も多く、花の色やガクの形状、樹高など様々な特徴を持った品種は実に800種類を数えるほどです。

 自生地はトカラ列島から中部地方、関東地方以南。関東から中部地方に自生するものは大半が白花、西日本ではピンクや紫の花が多く見られ、特に愛媛や土佐に人気の品種が多数あります。
 北陸や東北地方に自生する小型のアジサイはエゾアジサイと呼ばれ、ヤマアジサイとは別の分類とされています。また夏の暑さが厳しい関東以南の平地では育成が難しいといわれています。

 品種により実に様々な特徴を持っており、ガク咲き/テマリ咲き、装飾花のガクの枚数が一重/八重、花の色が白/ピンク/青/青紫/赤紫/赤/薄緑などの違いがあります。
 澄んだ青紫の「藍姫」という品種などを見ると、その華美さから品種改良したものと思われがちですが、実は大半は自生種なのです。またこの狭い日本の中で自生種が数百種類存在することも驚きであり魅力でもあります。かなり限られた場所でしか存在しないという種もいくつも存在します。

 ヤマアジサイは雑木の庭との相性が非常によく、多くの雑木の庭でヤマアジサイが植えられ、楽しまれています。
 雑木の株元に控え目な大きさで宝石のように綺麗な花は互いにその存在を引き立たせ、見る人に癒しを与えます。また直射日光を嫌うヤマアジサイにとっては雑木の下の木漏れ日は最高の環境となります。直射日光が半日以上当たる環境で育てるのは難しく、植える場所に工夫が要ります。木漏れ日を作るのが難しい場合は、家の北側や寒冷紗による遮光、鉢植えによる軒下への移動などを考えてみてはいかがでしょうか?

私の庭で育てているヤマアジサイの品種は、”コチラ”の「庭の紹介」ページにて詳しく紹介しています。