アオダモの早すぎる落葉問題

 暑い夏を乗り越えたら紅葉が楽しめるのも雑木の庭の大きな魅力の一つ。そのためには秋まで葉っぱを良い状態に保つことが重要なポイントとなります。しかし我が家の庭の木々の中で、紅葉シーズン前に落葉してしまう樹種があります。それがアオダモとツリバナ。特にアオダモは秋雨前線などの長雨が続くと、一気に葉っぱに茶色い斑点が広がってその後落葉してしまいます。残念ながら今のところ決定的な対策を打てていないのが現状です。また、その現象は私だけでなく多くの人が悩んでいるようです。

 今回のブログでは、過去から現在まで我が家で起こっているアオダモの早期落葉問題をお伝えし、原因の考察についてお伝えしたいと思います。

1.アオダモの落葉のパターンと原因

(1)褐斑病(かっぱんびょう)による落葉

 アオダモの葉っぱが所々茶色い斑点のようなものができる病気です。我が家では、芽吹きから夏までは発生することはありませんが、秋雨前線の長雨でほぼ毎年発生してしまいます。これが発生し始めると落葉が一気に進んでしまいます。

 褐斑病とは細菌性の病気で、葉っぱに付いた菌により葉っぱが侵されます。落葉した後も土で生き続け、胞子により空気中に拡散されるそうです。
 しかしあまり神経質になる必要はなく、アオダモ以外の植物に移ることも無いので放っておいても木の生育に問題はないそうです。私の庭でも毎年秋になるとこの現象は起こっていますが、木が弱ったりすることは無く元気に成長しています。

 この病気は農薬である程度抑制することは出来ますが、土の表面も消毒が必要となるため元々存在している好気性の菌に影響が出てしまうことと、庭以外の他の場所からも風に乗り菌が飛んできてしまうことから、私は褐斑病を割り切って受け入れています。

 ただ、木を健康な状態にすることで耐性を上げ、病気に掛かりにくくすることは可能。元気な木が毛虫の被害を受けにくいのと同じです。そのことを重点に根を元気にする土づくりにトライしてみようと思っています(根を元気にするには三大栄養素のカリウム不可欠です)。効果がありましたらその結果をお伝えしますね。

(2)日当たりの良過ぎる葉っぱの落葉

 アオダモは中高木に属し、自然の中では自分より大きな木の下で自生するタイプです。そのため、直射日光がガンガンに当たるような環境には慣れておらず、遮るものの無い住宅地の庭では日差しが強すぎます。また、同じ種でも日当たりの良い場所とそうでない場所とでは、葉っぱの寿命に違いがあります。一般的にも弱光環境の方が葉の寿命が長くなることが知られています。
 次の2枚の写真をご覧ください。

 こちらは我が家の庭の10月初旬のアオダモです。2枚とも同じ木で、下からと上から撮影したものです。

 良く日が当たる木の上部の葉っぱが落ち、枝の先端に芽を付けているのが分かります。フェンスや隣の樹木などに守られて日が当たりにくい枝は、今でも緑色を保っています。その中間の葉っぱは葉焼け気味で少し褐色がかっています。
 つまり、強い日差しを受ける葉っぱは落葉し、そうでない葉っぱは残っている状態なのです。

 「葉っぱの寿命は冬が訪れるまで」、とは限りません。葉っぱの光合成の総量と落葉には相関があり、光合成の総量が限界値を越えた葉っぱは弱って落葉しやすくなるのではないかと思われます。

 では早期の落葉は木の生育にとって特に問題ないのか? と言われると・・・申し訳ありません。私、まだまだ知識と経験不足で判断を付けることは出来ません… 
 大自然の中で世代交代を繰り返しながら育ってきたアオダモにとって、日当たりが原因で葉っぱを早く落とすということはその環境が最適ではないというサインだと思います。

 そして日当たりが強すぎる状態は、幹や根にダメージを受けて徐々に木が弱り枝枯れが進み最期は枯れてしまうリスクがあります。早すぎる落葉なんかよりも、このことの方が大問題ではないかと思います。

 下の写真は、玄関側のアオダモの2年前と今年のどちらも10月の写真です。この植栽エリアは東向きのため、午前中はガンガンに日が当たり午後からは家の陰となり日が当たらない環境です。しかし今年は早々にほぼ落葉してしまっています。今のところ目立った枝枯れはありませんが、徐々に木が弱ってきているように感じています。この木の健康状態もブログを通じてお伝えしていこうと思います。

2.今後も対策と効果をお伝えしていきます!

 残念ながら現時点では歯切れよく原因と対策をお伝えすることは出来ませんが、いろいろトライして効果がある方法をこのブログでお伝えしていきます。

 現時点で言えることは、アオダモは早い時期に落葉しやすく、日当たりの強さが影響していること。また早すぎる落葉自体は生育には特に問題ないと思われるが、日が強く当たりすぎることで枯れ込みが進んでしまうサインかもしれないということ。
 植栽するときにその樹種に合った環境となるようにすることが大切。こちらのブログ記事でお伝えした通り樹木が抵抗力を落としてしまわないよう、日当たりを抑制する工夫や土壌環境を整えて頂きたいと思います。