庭に野鳥を呼ぼう!!
冬の庭は落葉期であり山野草も少なく、シーズンオフといった感覚を持たれているかと思います。落葉樹の枝ぶりが良くわかるマニアックな楽しみ方もあるかと思いますが、お勧めしたい楽しみ方が「野鳥観察」です。
家にいながら野鳥を観察できるなんて、インドアでアウトドアを楽しめるまさにコロナの巣ごもりにも打って付けの楽しみ方ではないでしょうか? 今回のブログは、我が家の鳥の呼び方とこの季節に集まる鳥たちを紹介したいと思います。
1.野鳥の集め方
(1)水場を作る
鳥は夏だけでなく冬でも頻繁に水浴びをします。特に市街地の中で水浴びできる場所はなかなかありませんので、庭にちょっとした水場を作るだけで鳥たちはお気に入り登録してくれるでしょう。
容器は、 直径20㎝以上の浅めの2㎝ほど水が溜まる容器であれば何でもOK! シジュウカラやメジロなどの比較的小さな鳥が集まってきます。パスタボウルのような容器に水を張っておくだけでもOKですし、植木鉢の受け皿でもOKです。 「バードバス」としてお洒落な商品も市販されていますので、お気に入りのものを探すのも気分が上がるのではないかと思います。もちろん、流れのある雑木の庭であれば、自然のフィールドの中のバードウォッチングのような気分を味わえます。
大きな鳥を呼びたい場合は直径と深さがあるものを選ぶと良いでしょう。ヒヨドリなどは水浴びもダイナミック! 水の中にダイブするかのよう。いろんな大きさを取り揃えても面白いかもしれませんね。
(2)餌場を作る
冬場は植物や虫たちの活動が弱まる時期なので、野鳥たちは餌探しに苦労しています。そのため、庭に餌を置くことで簡単に鳥を集めることが出来ます。
餌の種類によって集まる鳥に違いがあります。
・ミカン・リンゴ・柿などの果実類
…メジロ、ヒヨドリなど
・ナッツ類、粟、ヒエなどの市販されている鳥の餌
…スズメ、シジュウカラなど
容器は何でもOK。果実類であれば枝に挿しておくだけでも十分です。「バードフィーダー」という名称で様々な市販品があり、雨が掛からないような工夫をされているものもありますので探してみても良いかもしれません。
ちなみに、変わり物の餌として、牛脂にも虫が好きな鳥たちが集まって来るようですよ。
(3)その他
そのほかに、以下のような方法もあります。
・巣箱を設置(春・秋の限定的な効果)
・実のなる木を植える(食用の大切な実の場合は、鳥が来た!と喜んではいられない…)
・木を多く植える(春から秋にかけてイモムシや毛虫などの害虫を食べてくれるので有益ですが、ある程度植えないと魅力的な餌場として認識してくれません)
という方法もあります。いろんな方法を併用してみても良いかと思います。
2.住宅街でもやって来る鳥の種類
山に近い地域にお住いの方は、山中のバードウォッチングでしか見ることが出来ないような鳥を庭に呼べるような環境だと思います。しかし多くの人は開発された住宅街に住んでおり、私もその一人です。
そんな住宅街でも、鳥に興味を持つことで集まる鳥の種類の多さに驚かされるというのは”あるある”の話です。
私の住んでいる地域に集まる鳥を、独断と偏見の嬉しさランキングで紹介したいと思います。ご批判もありかもしれませんが、あくまで庭を管理する人目線の個人的な意見として捉えて頂ければ幸いです。
ちなみに、季節によって見れる鳥、年中見れる鳥に分かれます。
・留鳥…年中見れる鳥。その地域に通年留まります。
・夏鳥…夏にその地域にやって来る渡り鳥
・冬鳥…冬にその地域にやって来る渡り鳥
他にも漂鳥(日本の中で季節で移動する鳥)、旅鳥(ある期間だけ日本に立ち寄る渡り鳥)という区別もあります。
(1)ウェルカムな鳥
シジュウカラ(留鳥)
私のハンドルネームにしているほどお気に入りの鳥。大きさはスズメより一回り小さく鳴き声が多様な上に美声です。住宅地でも生息する鳥ですが、どことなく山のキャンプ場のような清々しい気持ちにしてくれる、癒し効果No.1の鳥です。
また、春から秋にかけては葉っぱに付くイモムシや毛虫をせっせと探して食べてくれます。鳥の効果がすべてではありませんが、これまでイモムシや毛虫に悩まされたことは殆どありません!
メジロ(留鳥)
今は鳥獣保護法で禁止されていますが、以前は飼育が許可されていた鳥。シジュウカラよりも小型でウグイス色の体、白く縁取られた目が特徴。この鳥を見てカワイイ!と感じない人はいないのではないでしょうか? メジロ鳴き声は、「さえずり」はとても透明感のある美しい鳴き声ですが、「地鳴き」は小さく地味。果実が好物です。
ジョウビタキ(冬鳥)
冬にしか出会えない鳥。スズメと同じぐらいの大きさ。オレンジとグレーの色合いが美しく、雌の方が雄より淡い色をしています。枝などにに止まっているときに尻尾を小刻みにフリフリするのも特徴的で愛嬌を感じます。
ウグイス(留鳥)
言わずと知れた、春の訪れを告げるように「ホーホケキョ」と鳴く人気者。しかし警戒心が非常に強く、庭で見かけるのは稀。シジュウカラなどは鳴き声で庭に来たことに気付かされますが、ウグイスは無言。人の気配を感じるとすぐに逃げてしまうため、これまでまともに写真に収めたことはありません。レアな分、見付けると気分が上がります!
(2)普通の鳥
スズメ(留鳥)
最も良く見る鳥ではないでしょうか? 「キングオブ普通の鳥」。
雑食性で雑草の種のようなものを主食としているため、シジュウカラのような害虫駆除の期待はできませんが、愛嬌ある姿が愛らしいですね。
ハクセキレイ(留鳥、漂鳥)
用水路や住宅街の側溝など、浅い水場で餌を探す姿を見かけます。スラっとした細身で、白黒のモノトーンが特徴。我が家では稀にせせらぎにやってきます。昔は北海道の方にしか生息していなかったのですが、開発の環境変化に適応するように南の方の住宅街にも住み着くようになったそうです。
(3)招かれざる鳥
ヒヨドリ(留鳥)
できれば来ないで欲しい鳥ランキングNo.1! ブルーベリーやジューンベリーの花や果実を食い荒らす、糞をポタポタと落とす、糞の中の種から生える謎の植物… 庭主として嬉しいことは残念ながら一つも見当たりません。ネガティブなイメージが付くと、甲高い鳴き声を聞くだけで気分が下がります。
キジバト(留鳥)
平和の象徴のハト。古来より人とはハトの修正を利用してきました。しかしその印象とは裏腹に、糞害に憤慨! 体が大きい分糞の量も多い上、糞の中に潜む細菌により様々な感染症を引き起こすリスクを持っています。主に雑草の種を食べるため、害虫を食べてくれることはありません。
ツグミ・シロハラ(冬鳥)
この2つの鳥は、冬鳥であることと習性が似ていることからまとめて説明したいと思います。
大きさはヒヨドリ程度、主に地面の餌を探しまわる習性があります。頭と全身の力を使い、落ち葉を撒き散らしてその下にいる虫を捕食します。また、苔の下にいる虫も同様に捕食するため、庭を管理する上で 苔をはがされてしまうことが大きな厄介ごととなってしまいます。その防止策として、細いナイロンで出来たネットを地面に被せることが効果的なようです。我が家では、苔エリアと植栽エリアを区別して植栽エリアに落ち葉を堆積させるようにし始めてからは、苔への被害が抑えられています。落ち葉の下の方が魅力的な餌場であることがその理由ではないかと感じています。
いかがだったでしょうか? 庭に野鳥を呼んで、愉しみの幅を広げてみてください。