少し早い、雑木の庭の「紅葉」と「黄葉」
秋の雑木の庭と言えば、「紅葉」を思い浮かべるかと思います。若々しい新緑から日差しの強い夏を耐え抜いた葉っぱが、最期は黄色、朱色、赤色に変化してシーズン終わりの庭を美しく彩ってくれます。
しかし、庭の雑木たちは自然の山々や谷筋の雑木のように、本来の美しさを発揮することが難しいのが現実。木を植えれば綺麗に紅葉してくれると思いがちですが、なかなかそうはいきません(綺麗に紅葉させるためのコツをコチラで紹介しています)
涼しい地域にお住いの方は問題ないかと思いますが、太平洋側のヒートアイランドの環境は、「日差しが強すぎて気温が高すぎる」ためにいろんな弊害が出てしまいます。実際にこの地域のお庭ではこんなことが起こっているのではないでしょうか?
・紅葉時期まで葉っぱが持ちこたえることが出来ず、落葉してしまう
・葉っぱの端が茶色く枯れてしまう
・綺麗な紅葉にならず、黒っぽくなってしまう
このような現象は、管理方法によって多少和らげることは出来ても、なかなか紅葉の名所のような美しい姿にすることは難しいかと思います。
我が家の今年の紅葉は、紅葉シーズンを迎える前に落葉してしまう木が目立ち、また紅葉するタイミングも木によってバラバラな傾向があります。今年の梅雨は観測史上最速で明けてしまい、早い時期に猛烈な日差しと外気温に晒されたことが影響しているのかもしれません…
庭の紅葉の主役のイロハモミジはまだまだ緑一色なのですが、それ以外の脇役たちがピークを迎えつつあります。今回はそんな脇役たちの11月中旬の晴れ舞台を見て頂こうと思います。
庭全体
目線を上げると、緑を基調に赤や黄色が入り混じった色合いになっています。本格的な落葉も始まっており、先々週からブロワーを使っての落ち葉掃除が始まっています。水を流す気になれず、ポンプ停止中です…
コハウチワカエデ
こちらのコハウチワカエデは我が家の新参者で、今年で2回目の紅葉シーズンを迎えます。根の張りがしっかりしてきた影響か、昨年より葉焼けが少ないように感じます。
今は若干赤みを帯びた黄色ですが、これからオレンジ色に変化していくと思います。
アズキナシ
こちらも2年目の新参者。淡いライムグリーンを経て黄色く変化した葉っぱは、徐々に茶色く枯れ始めました。こちらは”黄色い方”の「黄葉」ですね。ネットでアズキナシの紅葉を調べると、もう少しオレンジ色に色付く場合もあるようです。
アカシデ
今年の我が家のアカシデは「黄色モード」。例年は冷え込んでオレンジ色になるのですが、冷え込む時期まで持ちこたえることなく黄色くなって落葉してしまいます。
ちなみに下の写真は過去のアカシデの紅葉の様子です。全然違いますね!
少し話がズレますが、今年このアカシデの幹がテッポウムシにグルリと一周食われてしまいました…
上の写真は退治した後のもの。発見時は木の皮で覆いかぶさっており小さな穴から糞らしきものがチョロっと見えていただけ。「もしや!」と思いドライバーの先端を使いほじっていったらご覧のように一周食われていました… もちろんテッポウムシは退治しました。
根から吸い上げた水を葉っぱまで送る導管は木の皮に近いところに集中しているため、水を吸い上げる力が弱ってしまっていると思われます。今年の黄色い葉っぱの広がりはその影響があるのかもしれません。
きっと来年は枝枯れが進んでしまうと思います。大事な枝が枯れないように、先手を打って冬の剪定時に不要な枝を落とし、負担を軽くしたいと思います。
ヤマコウバシ
春まで落葉しないことで受験の縁起物とされているヤマコウバシ、紅葉が進んできました。もう少しオレンジ色に紅葉が進んでピークを迎えると直ぐに色褪せた枯葉となり、春まで枝に付いたままの姿となります。
紅葉への移り変わりは、葉脈の緑色から葉縁に向かってオレンジ色に変わるグラデーションの美しさを感じます。
ナツハゼ
雑木の女王とも呼ばれる「ナツハゼ」
こちらの写真は少し前の10月末のものです。
他の木々と比べて早い時期に紅葉するのが特徴で、その美しさも格別のものがあります。朝日が薄い葉っぱを通り抜けて赤く輝くその姿は感動モノです!
ジューンベリー
我が家のジューンベリーはこの数年あまり調子が出ず、枝枯れが進んでしまいました。落葉も紅葉シーズン前の早い時期に始まってしまいます。しかし本来、オレンジ色の紅葉のキレイな舶来の雑木。柔らかな樹形と実も楽しめて是非庭に入れて欲しい1本です。
こちらの動画でジューンベリーの魅力をお伝えしていますので宜しければご覧ください。
秋の山野草たち
秋の山野草も紹介したいと思います。春ほどの賑やかさはありませんが、秋らしい落ち着いた花たちが今年も咲いてくれました。
リンドウ
淡い青紫の花が存在感を際立たせています。上空を覆う雑木の葉っぱで日当たりが悪いせいか、徒長気味。明るくなると花弁が広がり、夜になると閉じてしまいます。花持ちが良いのがイイですね! 一輪挿しにも重宝する山野草です。
ホトトギス
花の形が特徴的。1本の茎の節々に1つか2つ、花を付けていきます。よく似た台湾ホトトギスは、花茎が分岐して多くの花を付けることから容易に区別することが出来ます。
ヤマジノホトトギス
ホトトギスより小型で、花弁が短いのが特徴。コロッとしたような花の形が可愛らしく感じます。似た種で「ヤマホトトギス」というものもあります。
「ヤマジノホトトギス」は花弁が水平に広がるのに対し、「ヤマホトトギス」は下向きなのが特徴とされていますが、中間的な特徴をもっているものもあり区別が難しいです。
コバノボタンヅル
今年植えたコバノボタンヅル、早くも花を咲かせてくれました! クレマチスの原種の1つで、四国や九州に自生します。ボタンヅルより花数が少ないのですが、そこが我が家の庭にとってはバランスが良く気に入っています。
フジバカマ
雑木の枝葉の広がりにより日当たりが悪くなり弱りつつあるフジバカマ。南西諸島や台湾に移動する蝶、アサギマダラが好む植物として有名ですね。
残念ながら我が家でアサギマダラを見たことはありません…
「秋のオープンガーデン」として、11月初旬の庭の様子をこちらの動画で紹介しています。上記の内容とダブるところもありますが、宜しければご覧ください。
最後までご覧いただきありがとうございました!