庭と家具の親和性

今回は庭から少し視点をずらして「家具」についてお伝えしようと思います。

1.庭の魅力をとことん味わおう!

 庭をとことん楽しんでいる人は、庭いじりという「直接的な楽しみ方」と、眺めるという「間接的な楽しみ方」を満喫しています。更に夜のライトアップとカーテンフルオープンで昼間とは違った雰囲気を味わうことで庭を生活空間の一部として溶け込ませ、その効果を十二分に発揮している訳ですね。

 このとき、「庭」と「建物」と「家具」といった3つのトータルでのバランスが取れていると、相乗効果でそれぞれの持つ魅力以上の素敵な空間に変えることが期待できます。インテリアについては「インテリアコーディネーター」なる人が顧客の好みに合ったバランスを提案してくれますが、庭も含めた「庭とインテリアのトータルコーディネート」という視点を持つことが必要です。

 最近は、「建物&庭」とセットで、外観を建物だけではなく庭と融合して引き立たせることにこだわりを持った建築会社が増えているように感じます。しかし既に家を建てた人にとっては家屋は簡単に変えられるものではないですよね? これからでも変えることができる庭とインテリア、特に家具との相性やバランスについて私なりの考えや実例をお伝えしたいと思います。

2.「雑木の庭とインテリア」のトータルコーディネート

 庭にも家具にも共通して和・洋のカテゴリが存在し、カテゴライズされていますよね。
例えば庭で言うと、「日本庭園」は「和風」、「イングリッシュガーデン」は「洋風」、「雑木の庭」は「和モダン」といったところ(当たり前ですね)。発祥の地の特徴がそのまま出ています。
 家具は少し複雑。主には、スタイル軸では「モダン」「クラッシック」「ナチュラル」、地域軸では「英国」「ヨーロッパ」「北欧」「アジアン」「和風」といった組み合わせである程度カテゴライズすることが出来ます。

 このホームページでは「雑木の庭」の魅力を伝えることに主眼を置いているため、それと相性の良い家具とはどんなものか?に絞ってお伝えしたいと思います。

 まず、「雑木の庭」を「日本庭園」と混同している人が多いように感じますが、別物として捉えるのが正解かと思います。

「日本庭園」は歴史ある伝統文化で、松や槇などの針葉樹がメイン、手入れも人の手を入れて刈り込まれたような状態が美しいとされています。
「雑木の庭」は、日本庭園と共通項もありますが、自然美を大切にして人の手が入っていないように見せることが善しとされているところが大きな差です。散髪に例えるなら、刈り上げとナチュラルヘーアーの違いのようなものでしょうか?

 前述の「自然美を大切にする」というスタイルは、洋風のナチュラルガーデンにも近いこともあり、雑木の庭は「和モダン」という言葉がしっくりくるのだと思います。そんな庭を眺めるときのインテリアは、やはり「和モダン」。本物の自然素材の美しさを活かしたシンプルなデザインで、伝統の中にも時代の変化に沿った新しさを取り入れているものが親和性が高いと感じます。

3.伝統と本物志向の飛騨家具

 古い町並みでも人気のある岐阜県飛騨地方の高山市は家具の産地として全国的に有名で、家具メーカーや工房が数多く存在します。キツツキマークの「飛騨産業」や、シビルチェアーで有名な「柏木工」、素材と伝統にこだわる「シラカワ」、「日進木工」、「オークヴィレッジ」など。高級家具や一枚板のテーブルやかわいい小物を作っている小さな工房なども多数あり、無垢の素材をふんだんに使った魅力的な木製品を他の地域では見られない厚い層で製造・販売しています。

 高山の家具の中には、伝統技能と良質な素材を用い、古さを感じさせない新しさも追及した「雑木の庭」のイメージと相性の良いと感じられるものが数多く存在します。
 私はこの高山が好きで、年に2,3回は訪れています。家具店や小物店巡りで買い揃え、我が家のインテリアの多くは高山で購入したものばかり。また好きが講じてDIYでも小物から大物までいろいろと作っています。その全ては「雑木の庭とのトータルコーディネート」を意識して雰囲気はすべて統一しているつもりです。しかし感性というものは人それぞれ。他人の感性によるトータルコーディネートがどんなものか気になる人もいるのではないでしょうか? あなたの感性に合うかどうか、これより我が家のインテリアを写真中心に紹介したいと思いますので是非最後までご覧下さい。

4.家具とインテリア実例

(1) LDK全体

(2) ダイニング

テーブルはクルミの一枚板 3脚のチェアーは「シラカワ」のクルミ材、右端は「飛騨産業」のナラ材。

(3) ソファ

ソファは「シラカワ」の「飛騨の匠工房」のシリーズ。材質はウォルナット。板座や背もたれは耳(木の皮を剥いだままの自然の状態)を使っています。同じ形状のものは2つと無いので、家具メーカーで天然の耳を使っている家具は非常に珍しいんですよ。無骨でいて素材の持つ本来の美しさを引き立たせた素晴らしいソファです。


(4) テレビボード

ウォルナットの一枚板。厚み60mmで重厚感があります。DIYで製作しました。ちなみに上の棚板もその上のタイルもDIYです。

(5) イージーチェア

飛騨市河合にある「北々工房」さんのイージーチェア。座面と背もたれがかなり斜めになっているため、くつろぎやすい形状。背面の縦格子のカーブの美しさが際立ちます。カフェテーブルは工房のワークショップで作らせてもらったものです。

(6) キッチンボード

高山市街地で一枚板や小物を扱う「SWING」さんでオーダーで作って頂いたもの。壁のタイルや小さな棚はDIY。

(7) 和室の長テーブルと座椅子

テーブルはDIY。座椅子は「柏木工」の「月華」というシリーズ。縦格子は竹を用いた繊細なデザイン。

(8) その他木製小物

小物のほとんどがDIY。無垢の材料さえ手に入れることが出来れば、ホームセンターで揃う電動工具一式で意外と簡単に作れます。ものづくりの楽しさもさることながら、安上がりなのが最大の魅力です。

いかがだったでしょうか? 庭も生活空間の一部。インテリアとトータルで考えてみると楽しみも広がるのではないかと思います。

最後までご覧いただきありがとうございました。

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