雑木の庭 春の剪定DIY その2

雑木の庭の年間通したメンテナンスの一部を紹介します

 先回のブログ「春の剪定」で木全体のBefore/Afterを紹介しましたが、柔らかな樹形を維持するために私が実践しているコツをもう少し詳しく解説したいと思います。

高木で囲まれた暗い山の中で日光を求めてヒョロっと伸びて上空で水平に重ならないように広がっているモミジの枝葉の姿を見られたことはないでしょうか? その涼しげで凛とした木の姿は惹かれるものがあり、庭のモミジにもそのような姿を求めてしまいます。小さな庭で高木に囲まれたような環境を作るのは難しいですが、人の手でこのような姿に近付けることは可能です。
 前述の「高木の中のモミジ」は枝葉を水平に広げて効率よく光を取り込もうとするのに対し、庭に植えたモミジは直射日光をガンガンに受けるため、栄養を蓄えるために葉っぱを増やすことが木にとって合理的であり、葉っぱを密にして水平だけでなく上下方向にも広がろうとします。その上、上へ上へと延びなくても太陽光を浴びることが出来るので低い位置で枝を広げようとします。
 このような環境で育てる庭の木を「高木の中のモミジ」に近付けるには、人が枝を落としてやればいいのです。私が取っている方法について、2つ紹介したいと思います。   庭師でもない私が剪定方法について説明するのはおこがましいですが、この方法によりブログに掲載している庭の姿になっているという考えでご覧いただければ幸いです。
※枝を掃っても株元や幹に直射日光が当たらないように植栽がされていることを前提としています。(詳しくはコチラ(5)自然の環境に近付ける方法参照)

下枝を掃う

 「高木に囲まれた自然のモミジ」は、低い位置に枝はありません。光合成の効率が悪いので自ら落としてしまっているのです。しかし日当たりの良い庭の環境では低い位置の枝はどんどん育って広がっていくことでしょう。低い位置で広がろうとする枝を幹からカットすれば、木は上へ上へと延びていき、住宅街でよく見るモリゾーのような樹形からスラっとした樹形になっていきます。
 また、この枝との関係と同じく、幹から分岐した枝とさらにそこから分岐した枝との関係についても付け根に近い枝を払っていけばより理想の姿に近づきます。この写真はイロハモミジの4年前と現在の姿の比較です。4年前は1.5m程度でしたが今は3.5m近くまで上へと成長し、柔らかな樹形を保てています。下枝がカットされているのがお判りでしょうか? 成長に合わせ下から順番に枝を掃っています。

枝上の上下に伸びる小枝を掃う

枝からさらに枝分かれするものの中で、上下方向に伸びようとする枝を掃うことで水平方向の広がりを作ることができます。下の写真中央部分の2又に分かれた枝の剪定のBefore/Afterです。斜めからの角度の写真なので分かりにくいかもしれませんが、上下方向に伸びる枝を落としさらに水平方向の密になっている枝を落としています。落とした枝葉の量は3枚目の写真の通り。3割程度落とした感じですかね。これを繰り返すことで柔らかで涼しげな樹形にすることが出来ますよ。ぜひチャレンジしてみてください。

※冬の剪定については、コチラの記事をご覧ください。