オンライン オープンガーデン2022 芽吹き始めの季節(3月中旬)

 今年のこの地域(愛知県平野部)は、雪が多く寒い冬でした。しかし3月に入り20度越えの日が続いたことで休眠期だった植物たちの動きが活発になってきました。スプリングエフェメラルと呼ばれる早春の山野草が咲き始めたり、固かった冬芽の先端が緑のパステルカラーとなり柔らかくなったりと、ポカポカの陽気も相まってウキウキするような気持にさせてくれます。
 この季節は変化のスピードが速いため、先回か1か月も経っていませんが芽吹き始めのこの季節の庭の様子を紹介したいと思います。

1.入口付近

 まずは入口から。この写真で庭全体が収まってしまうような10坪ほどの庭です。しかしそれぞれの植栽ユニットや見る角度によって違った風景に感じさせてくれるのが雑木の庭の特徴の一つだと思います。

 入口の右側から、庭全体を見ていただきたいと思います。ちなみに手前のカバーの中にはせせらぎのポンプが収まっています。

奥から手前に水が流れてきます。手前の溜まりは最下流。もう少し上流に目を移すと…

 流れは右から左に緩やかに蛇行し、一番奥から水が湧き出す作りになっています。
そして流れの両側に左右交互に植栽ユニットが配置されています。

 それでは入口から中へどうぞ!

2.入口付近 北側の植栽

 まずは目の前に入ってくのはブルーベリー。花芽が柔らかくなってきました。

 こちらは花芽は付いていませんね。ちなみにブルーベリーの葉っぱは秋一番乗りで紅葉しこの季節まで保ち続けます。もちろん日本の雑木ではありませんが、紅葉が綺麗だし実が食べれるし入れておくと楽しみが広がりますので雑木の拘り的に許せるのであればお勧めの1本です!

 その足元にはヤマアジサイがいっぱい芽吹いています。「酔湖姫」「伊予の五月雨」「瀬戸の月」。開花前のヤマアジサイはどれも同じに見えますね。5月中旬の開花シーズンに花の特徴を、ゆっくりじっくりとお伝えできれば、と思います。

 小さなスミレの花が開花していました。ニョイスミレだと思うのですが、花弁が淡い紫色しています。これまでタチツボスミレとニョイスミレしか育てたことが無いため、それ以外のものであることは考えにくい… もう少したくさん花を付けると何か分かるかもしれいませんね。

 こちらはヤマオダマキ。小さな葉っぱが圧縮されたような姿で地上に出てきました! 6月末には淡い黄色の造形美の素晴らしい花を咲かせます。

 この植栽ユニットのフェンス側のジエビネ。ジエビネは常緑で、冬の間も緑の大きな葉っぱを保ってくれるので重宝します。

 良く見ると3本の花芽が。あと2週間もすれば開花するでしょう。開花の姿はラン科の花らしく上下方向にいくつもの花が並びます。

3.入口付近 南側の植栽

 次は入口から左側(南側)の植栽へ

 すぐ右手にはアジサイ「八丈千鳥」。常緑で四季咲きのアジサイです。八丈島より寒い愛知県では冬に咲かないどころか多くの葉っぱが凍ててしまっていましたが、今はモリモリと葉っぱ展開中です。ちなみにこの場所は南側ですが、お隣さんの陰になってしまうため寒い季節は日当たりが良くありません。

 こちらはヤマアジサイ「土佐緑風」

 その奥にはイワガラミ。アジサイ科・つる性でアジサイのような白い花を咲かせます。

 新芽が出てきています。

 その株元にはジエビネ。

 落ち葉の下から花芽が顔を出しています。

4.中央 北側の植栽

 流れを挟んで反対側の植栽ユニットへ

 まず目に入るのは常緑のハクサンボク。

 新しい葉っぱとその中央のツボミ。もうすぐ散房花序の小さな花が集合したような真っ白な花が咲きます。

 この植栽エリアにはコナラとヤマコウバシも植わっています。ヤマコウバシは新芽が育ち始めると同時に葉っぱが落ち始めました。
 ちなみにヤマコウバシは枯葉が「落ちない」ということで受験の縁起物とされていますが、合否判定が出るこの時期に一気に落葉する姿を見ると複雑な気持ちになります…

 その下には我が家で一番乗りのニリンソウの開花。2輪目はもう少し先のようです。

 マイヅルソウもいっぱい芽を出し始めています。

5.中央 南側の植栽

続いて流れを挟み次の植栽エリアへ

 その前に流れの際に目を遣ると、

 イワタバコの葉っぱが展開し始めていました。初夏に紫色の涼し気な花を咲かせます。

 落葉低木のミツデイワガサが芽吹き始めています。

 逆光となる側から見ると、薄い新緑に光が通りパステルカラーに輝いて見えます。

 その奥には常緑のヒサカキ。よく見ると枝の下に白く小さな花がギッシリと咲いています。常緑樹の花は地味であることが多いですね。

 地面に目を遣ると、イズモコバイモが咲いています。

 ちなみにこちらの1枚葉、同じイズモコバイモなんです。花を咲かせない年はこんな姿です。

 ヤマアジサイ「黒姫」。植え付けて1年ちょっと。株元から新たな芽が出てきています。昨年は花を付けませんでしたが今年は期待できそうです!

6.上流 南側の植栽

 もう少し上流へ。

 こちらはバイカツツジ。梅雨時期に控え目な下向きの白い花を咲かせます。

 本来なら今頃綺麗な花を咲かせるはずのショウジョウバカマ。残念ながら去年に続き今年も花を付けてくれません。肥料を好むため、肥料不足には注意していましたが… 日当たりが足りないのかもしれません。

 シライトソウです。5月初旬に4本開花しそうです。去年は2本だったような。

 特徴のないヤマアジサイばかりですいません… こちらは幻のアジザイとも呼ばれる「七段花」という品種。株は元気そうです。

 この植栽エリアのツノハシバミがご覧のように花を咲かせています。

 雌雄同株・雌雄異花で、房状のものが雄花。赤く見える小さなものが雌花です。

 その奥にはシロモジ。

 シロモジもヤマコウバシ同様に枯葉を新芽が出るまで落葉しませんが、この暖かさでかなり落葉が進みました。

 黄色い小さな花が咲き始めていました。

7.上流 西側の植栽

 次は流れの右側へ

 庭のコーナー部のソヨゴの右側には2種類のヤマアジサイ。更に右にはミツバツツジ。

 春の訪れを告げるようにピンクの花を咲かせます。自生地では新聞記事になるような人気者。しかし我が家の株はまだまだ蕾が固そうです。

 去年のヤマアジサイ「津江の紅鶴」の花がドライフラワーになって残っていました。

 イカリソウの葉っぱがが早くも展開していました。葉っぱの展開と同時に開花するのですが、残念ながら見当たりません。

8.上流 北側の植栽

もう少し右側へ

 セツブンソウ。2月末ぐらいに開花し、今は葉っぱを広げて栄養溜めています。ちなみにスプリングエフェメラルなので、初夏には地上部がなくなってしまい、それまでに必要な養分を溜め、種を作ります。

 この中に種が入っています。零れ種で増えやすいですよ。

 こちらはコセリバオウレンの実。オウレン属はこのような特徴的な姿になります。

 目を上にやるとコバノガマズミの蕾が膨らんでいます、

 というか一部の葉っぱは展開していました。

 こちらはオトコヨウゾメ。葉っぱ展開中。もうすぐ小さな白い花が集まったようなを咲かせます。

 ここが小さな庭の行き止まり。ここから後ろを振り返って庭全体の写真をお見せします。

 いかがでしたか? これから1か月もすると地表も上空も緑に覆われ、1年を通じていちばん見応えのあるシーズンを迎えますが、芽吹きのワクワクを感じさせてくれるこの季節の魅力がお伝え出来たなら嬉しく思います。

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