マイヅルソウ(舞鶴草)~住宅街での育成環境~

1.特徴

 主に標高の高い山や亜高山などの寒い地域に自生します。春先の色々な植物が芽を出し始める時期にロケット状の尖った芽を出し、すぐに葉っぱを展開させて白い小さな花を咲かせます。カタクリなどと同じように、花を付けない株は茎に大きめの葉っぱを1枚付けるのみ。花を付ける株は2,3枚の葉っぱとなります。
 この植物は葉っぱの形が特徴的。光沢を持ちハートの形をしています。その雰囲気が家紋の舞鶴紋(JALのロゴのような形)に似ていることから名付けられたという説があります。
 花は地味で、短い柱状の小さな丸い花の集合体。秋には赤い実を付けるのですが、我が家ではまだ見たことがありません…
 また、高山植物にもかかわらず育てやすいのも嬉しい特徴。地下茎で緩やかに増えていきます。

2.育て方・増やし方

 住宅街の厳しい環境でも、植え付ける条件さえ合えばさほど手がかかることなく育てることが出来ます。とはいっても高山植物。やはり他の山野草と同じく夏場の直射日光・乾燥・蒸れには注意が必要です。

 夏場はまだ太陽が昇りきらない時間までにタップリと水遣りをし、次の水遣りの時間となる夕方まで水切れを起こさないようにしなければなりません。暑い時間帯に水遣りをしてしまうと、温められた地表の影響で土の中が蒸気でムンムンになってしまい根がやられてしまいます。かといって水切れには弱い。この条件を成立させる一番の方法は地表に直射日光が当たらないようにすること、つまり庭木により作られる木漏れ日環境が最適なのです。この環境は葉焼け対策にもなりますし、あまり日が当たらないと生育不足で消えていってしまいます。ちなみに我が家では日当たり環境の違う2か所に植えており、木漏れ日が射す環境の株は元気ですが、ほぼ日が当たらない株は消えつつあります…
 また、水を好む方なので、特に夏場は水遣りを忘れないようにしてください。

 地下茎で緩やかに範囲を拡大していきます。環境が合わない場所では徐々に消えていきますが、環境の合う場所に到達するとそこで株が広がります。昨年と違った場所からいきなり芽を出すので、毎年移動しているかのように感じます。

3.フォトギャラリー

4.まとめ