イワタバコ (住宅街での育成環境)

開花などの旬の季節に合わせて「雑木の庭にお薦めの植物」を紹介します

 今回紹介するイワタバコはちょっと変わった山野草です。山に降った水が染み出すような湿った岩肌にへばりつくように自生し、夏には青紫色と黄色の花を垂れ下がる形で咲かせます。葉っぱは手のひらほどの大きさで光沢があり、厚みもあります。タバコの葉っぱに似ていることからイワタバコ(岩煙草)と呼ばれているそうです。



 自生する姿を紹介したいと思います。私が住む愛知県では自生地として「阿寺の七滝」が有名です。岩肌にギッシリと葉っぱが広がり、小径に向かって垂れ下がる花の姿は妖精がこちらを見ているかのよう。岩肌が常に湿っていること、岩肌の上に生える高木によって日陰の環境が作られていることが自生環境のポイントです。

 このような植物を育てるにあたり、一番の悩みが環境づくりではないでしょうか? 鉢植えであれば腰水か底面給水で常に湿り気のある環境が作れますが、庭植えの場合はこまめな水遣りが出来るかどうか?にかかってきます。
 自動灌水があるお庭の場合は、タイマーで朝、昼前、午後、夕方と時間を刻むことで環境を作れるかもしれません。ただし、以前のブログ ”雑木の庭の真夏の管理” でお伝えした通り、真夏の昼間の水遣りには植物を弱らせるリスクを伴います。灌水の範囲が昼間に強い日差しが当たらないのであれば、この自動灌水の方法がいちばん現実的かもしれません。

 私の庭ではせせらぎの際に植えることにより、水遣りの課題を解決しています。庭にせせらぎを作ることに抵抗を感じる人が大半だと思いますが、楽しみが広がることも事実です。(興味のある方は、”「せせらぎ」のメリデメ” を参考にしてみてください)

 このイワタバコ、ケイワタバコ(毛岩煙草)という変種があります。見た目は似ていますが、花茎や葉っぱの裏などに毛が生えているのが特徴です。また、花期も1か月ほど早いことからケイワタバコも併せて育てると、長い期間花を楽しむことができます。

 それでは、庭植えの姿の写真を紹介します。

いかがだったでしょうか? イワタバコは花の少ない真夏に花を付け、見た目も涼し気なのが魅力です。
暑さには意外と強そうなので、是非チャレンジして欲しいと思います。