ホトトギス (住宅街での育成環境)

開花などの旬の季節に合わせて「雑木の庭にお薦めの植物」を紹介します

 ホトトギスと聞くと、多くの場合「鳥」をイメージするのではないでしょうか? 山野草の世界では「ホトトギス」は秋を代表する植物の一つです。ユリ科の植物で1本の茎に葉っぱが互生し長く伸び、垂れ下がるような姿になります。秋になると葉っぱの付け根の節に花芽を付け、先端から順番に咲いていきます。
 園芸店でよく見かけるのは丈夫で育てやす台湾ホトトギスやその交配種。また、この台湾ホトトギスは日本のホトトギスと見た目が類似しています。

 日本に自生するホトトギスの特徴は、花弁や花柱の斑点が淡い赤紫色なのと1つの節から1~3個程度の花を付けるのに対し、台湾ホトトギスの斑点は濃いショッキングピンクで、1つの節から5個程度の花が枝分かれして咲きます。花だけ見ると似ていますが、開花した全体の姿から感じる雰囲気は、台湾ホトトギスは「華やか」、日本のホトトギスは「楚々」といった差を感じるのではないかと思います。

 また、日本には10種類程度の野生種が存在しています。黄色のキバナホトトギス、黄色い花びらで覆われた筒状の花のジョウロホトトギス、小型のヤマジノホトトギス、ヤマホトトギスなどが有名です。

 日当たりを避けて水やりさえすれば育てやすく、秋の庭を賑やかにしてくれる貴重な存在です。是非あなたのお庭のお仲間に加えて頂きたいお勧めの山野草です。